第6巻 キャロルとメンフィスの結婚式 とんでもない事態に 王家の紋章大好き
居場所を見つけられずに彷徨うキャロルにとって、現代に帰ることは唯一の希望であり、いくらメンフィスが望んでも、キャロル自身の帰る場所を、家を、棄てることはできなかった。 王家の紋章二次創作に関する噂の情報の豊富さと関心度データ data近付こうとするメンフィスに向かってキャロルは無言で次の矢を放つ。 小さな舌打ちと共に、矢は身体を捻った彼の胸を掠めていった。 「キャロル!!」 メンフィスは尚もその名を呼んだ。 ―――――何と虚ろな瞳か。まるで蒼いガラス玉のような